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10時間目 ページ12

昨日は少し帰るのが遅くて

家事を済ませ、宿題とかをやっていたら

時計の針は、とっくに12時をまわっていた。

だから、つまり

寝不足なのだ。



「うー…。ねむい…」



大きな欠伸をして昇降口に入ると、横から聞き慣れた声が聞こえた。



「でっかい欠伸。女の子らしくないなぁ」



その声がした方をちらりと見ると

にこにこ笑顔な輝が居た。



「黙ってよ。ていうか、逆に私を女の子として見た時あった?」



片頬をぷくっと膨らませて問う。

それを聞いて輝は、上を見る様に考えて



「…ないね」



と答えた。

それも、すっごい笑顔で。


私は輝を少し睨んで上履きに履き替える。

そして、同じことをしている輝を待つことなく



「さいてー」


と言い放ち、教室へ向かった。

でも私の後ろから、


待ってよー。冗談だって。


なんて声が追いかけてくる。



「はいはい。分かってるよ?輝の周りの女の子は、みーんな女子力高いもんね」



待ってよ、なんて言われても待つ訳がないと

私は足を止めずに言い返す。


すると、追い付いてきた輝が私の手首を掴んだ。



「本当に冗談。Aは他の女子よりも可愛いよ」



さっきとは打って変わって真剣な眼で言うから

え…、と声が漏れてしまう。


輝の言葉が頭の中でリピートされて、

顔が熱くなっていく気がした。


でも、だんだん輝の眼が細くなり、口角が上がっていくのを見て

コイツ…、と察して、私も眼を細める。



「まじで、さいてー」



一時停止していた足を再生する。

それに着いてきた輝が、私の顔を覗き込みながら



「顔、赤いね。かわいい」



なんて言って微笑むから

デコピンでお返事して教室に、ささっと入った。

その後に続いてくる輝を見ながら



輝がモテるのも分かるかも。



なんて思ってしまったことは


私だけの秘密にしておこう。

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透空(プロフ) - ミクさん» 本当ですか!?嬉しいです! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 0ba7269771 (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - 雪華さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 0ba7269771 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - キュン死する (2020年5月23日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 読んでてすっごいキュンキュンしました!更新頑張って下さい! (2020年4月28日 13時) (レス) id: c2d0832e50 (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - カルリさん» ありがとうございますっ。もっと素敵になれるよう頑張ります!笑 (2020年4月2日 14時) (レス) id: eb1312b7ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透空 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年2月23日 19時

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