ひまわり 13 (ページ29)

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「残念だけど………
全部片寄が上の人に話してるからね？
異動くらいじゃ済まないはずよ？」

『……そんな…。
どうにかなりませんか……？』

そんなの……やっぱり違うよ。

私の話に大きくため息を付いた安元さんが、上に話をしてみるって言ってくれた。

「お人好し……」

『違いますよ…。
これ以上……人から悪く思われたくないだけの偽善者です……』

…だって……
絶対また、トラブルのもとになっちゃうもん…。

「そういう事にしとこうか…？」

『イヤ……ホントに……。
私…ピアノが楽しく弾けて……それを聞いて喜んで貰えたら……それで満足なんです。

私がここにいることで…迷惑とか…嫌な思いをする人がいるなら……
正直…続けていけない…です…』

迷惑をかけた申し訳なさとか…
今まで溜まってた負の感情が、ぶわぁ～って込み上げて来て……

気付くと涙が溢れて止まらなくなってしまった……。

大丈夫だと思ったのに……
やっぱり隣に隼がいないと……精神状態が不安定だ。

「はい…」

安元さんがハンカチを差し出してくれて…
ありがたくお借りして涙を拭う。