ひまわり 13 (ページ2)

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「…これ……、いつもAちゃんが弾いてるやつだよね？」

『一番、指が動くから……
これから、ピアノの練習前には最初にこれを弾いてから、曲にいってみて…ください…』

「わかりました…」

なんとなく、お互いにぎこちない空気を纏ったまま、レッスンスタート。

「ちゃんと…先生…ですね…」

『一応……』

レッスンの休憩中、涼太くんが感心してくれる。

「資格って……いるの？」

『個人で教室開く分には資格とかいらないよ？
私が勤めてたとこは、講師資格の試験とか、グレード試験とかあったけど……』

「持ってんねや…すごいな。
音大出てるんやもんな…？」

『私なんて、まだまだだよ…』

堅苦しい話し方から、急にフランクになった涼太くんにノセられて、ついつい普通に話してしまって…

思い切り吹き出して笑われた。

「ってかな？
俺に敬語使ったら……どうなるかわかってるよね？」

『…………』

「今回の罰ゲーム……何にしよっかなぁ」

ニヤニヤ笑う涼太くんを睨んでみたけど、痛くも痒くもないって顔。