ひまわり４ (ページ39)

今日:52 hit、昨日:43 hit、合計:24,955 hit

189 ページ39

タクシーに乗って２次会の会場ヘ向かう皆さんを見送って…
ここで解散するスタッフさんや数人のバンドメンバーと挨拶すると、駅に向かう。

「送ろうか？」

若手のスタッフさんに声をかけられ、大丈夫だと答えるけど、駅まで一緒だし…とついてくる。

これからお世話になる人だし…

無下にできず、当たり障りのない会話をしながら歩くけど、何か微妙に距離が近い……。

「ねぇ……お茶していかない？」

疲れたでしょ？って……。

『いえ……。まっすぐ帰ります』

「えぇ～いいじゃん。
これからライブで全国回るし……仲良くしようよ」

『あの…
酔ってます？』

「ん？酔ってるのかも？
介抱してくれる？」

肩に手がまわり、その手から逃げようと身を捩るけど、腕を掴まれて引き寄せられた。

…イヤイヤイヤイヤ…………
勘弁してください…。

……こういうの、ホントに無理……。

『離してもらっていいですか？』

「えぇ？ヤダって言ったらどうする？
……仕事、なくなっちゃうかもよ？」

『……え…？』

「お茶に付き合わなきゃ仕事なくなるの？」

一瞬、戸惑って足を止めた瞬間、後ろから聞こえた声に振り返ると、目深にキャップを被った世界さんが首を傾げてる。