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『欲しい物か………』
物欲ないんたよね……私。
『あ!』
「なに?」
『……歌ってほしい』
「歌?」
そんなんでいいの?って呆れてる涼太に
『プロの歌手に個人的に歌えって……
何よりも貴重で高価だと思う!
それが推しなら余計に!』って力説すると
クスクス笑いながら、
「何がいいの?」って。
『fallin'……』
って言うと
「好きやね…」
って呟いた。
お気に入りの曲はたくさんあるし、
その時々で変わってくるけど……
この曲は、絶対にトップ5に入るんだ……。
って、何かのタイミングで涼太に話したことがあって……
料理を作りながら…
洗濯物を干しながら…
お風呂の中でも、口遊むことが多いから
いつも涼太に「またその曲?」って
笑われる。
…ちょっとテレてるの……知ってるんだから。
ギュッと抱きしめる力を強くして歌ってくれる
涼太の甘い声に…
自然と涙が出る。
抱きしめられてて、腕の中で聞いてるから余計、
声に包まれてるみたい……。
『この曲ね……?
涼太への気持ちだなぁって…いつも思うんだ』
歌い終わった涼太に言うと
「ん?」
って優しく微笑みながら、涙を拭ってくれる。
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作者名:ひな | 作成日時:2022年11月11日 18時