心のままに 12 (ページ29)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:36,042 hit

579 ページ29

『帰りたくないって言ったら……？』

「許してもらえるまで、何回でも謝るし……

許してくれるなら…何でもする」

私の様子を伺う涼太が

「ごめん……ホント…許して？」

って。

『仕事……大丈夫なの？』

気になってた事を聞くと、

座ろ？って腰をおろし、隣をぽんぽんってする。

少し離れて座ると、すごく悲しそうに目をゆらし

「大丈夫じゃないけど……

Aがいないと大丈夫じゃないから、

江上くんがなんとかしてくれた……」

って視線を落とす。

『私の事なんて…ほっとけば良かったのに……』

私の言葉にパッと顔を上げると

「ほっとけるワケないやろ？」

って。

『誕生日…忘れるのに？』

自分でもイジワルだなって思うけど

つい口から出てきて……

素直じゃない自分が嫌になる。

「………ごめん」

そんな私に、泣きそうな顔で謝ると、

「寂しい思いさせてるのわかってたのに

Aが何も言わないで

我慢してくれてることに……甘えてた」

って。

誕生日も、頭から完全に抜けてたみたい。

ホントは誕生日なんてどうでもよくて…

…そんなの、きっかけにすぎなかった。

ただでさえ、ドラマの撮影で忙しくて

一緒に過ごす時間が少なかったのに、

共演者さんとゴハンしたり、飲んできたりが続いて………

私の事なんて

どうでもよくなったのかなって…。

けど……そんな事言いたくなかった。