心のままに 12 (ページ20)

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「泣くなよ…」

ってそばに来た涼太から距離を取り、

『来ないで……』

って言って、リビングから出ようとすると

腕を掴まれた。

「どこ行くん？

言いたいことあるなら…ちゃんと言ってよ………」

涼太は悪くないのに…

これは、私の中の問題なのに……

すごく困らせてる。

『ごめんなさい……

ちょっと……ほっといて？』

手を振り解こうとするけど………

「アホか……

ほっとけるワケないやろ？」

って離してくれない。

「ちゃんと言ってよ………」

『言わなくても…わかってくれてたじゃん……

顔見たらわかるって……』

涼太は、私の理不尽な言い分に、ものすごく困った顔をして……。

『誕生日に、ひとりでいたくなかったから…

千秋に一緒にいてもらったの！

拘りないって言ってたけど………

やっぱりひとりは寂しくて、

一緒にいてもらったの！

こんなの……言いたくなかった！！』

「え……」って言ったきり、

完全にフリーズしてる涼太から離れて、

部屋を飛び出した。

A！

って焦る声が後ろで聞こえたけど、

すぐに締めたエレベーターのおかげか、

涼太はついて来なくて……

タイミングよく来たタクシーに乗り、行き先を伝えると

スマホの電源を落として涙を拭い、シートにもたれた。