SHINE (ページ9)

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お会計の時、少しでも出そうと思ってバッグに手をかけたけど、当たり前のように出させてもらえず…いつの間にか呼ばれていたタクシーに２人で乗り込んだ。

「今日はありがとう」

行き先を運転手さんに伝えた後で、王子様スマイルの涼太くんが私を見た。

『こちらこそ。ごちそう様でした!』

私が返すと

「ね…。また誘っていい？」

と、涼太くん。

真剣な顔で言うから、ドキドキが止まらない。

『私でよかったら…』

って言うと、やった!って呟いた涼太くんは真剣な顔から笑顔になって、軽くガッツポーズしてる。

「今度東京ドームでライヴなんだけど、来る？」

ユキちゃんが３日間分チケットはとってくれたけど、全日程行くって、何か恥ずかしくて言えなくて…。

『行きますよ。
けど、何日だったかなぁ』

なんて言いながらごまかした。

「スケジュール把握しといてよ〜」

って笑われながら、タクシーが私のアパートの前に着いた。

もちろん今回もタクシー代を受け取ってくれず。

「それでお菓子でも買うたらええやん」

なんて笑ってた。

部屋に着いてからお礼のラインをしようとスマホを見ると、すでに涼太くんからのメッセージ。

(今日はありがとう。またごはん行こうね！)
(おやすみなさい)

文字を見てるだけなのに、心があったかくなる。

《こちらこそ、ごちそう様でした!》
《忙しいと思いますが、体に気をつけて、ライヴ頑張ってください!》
《おやすみなさい》

ライヴまでの１週間、リハーサルやその他の仕事も忙しいはずなのに涼太くんは毎日ラインしてくれた。
(疲れた～！)
とか、一言だったりするけど…こんな風に毎日連絡くれたら、期待してしまう。

涼太くんは芸能人。
私の事なんてただの友達だろうし。
親友の彼女の友達？なだけで、きっと意識してない。
意識されてないからこそ、こんな風に連絡くれるんだろうな。

わかっているんだけど…。

好きになっちゃいそうだよ…。