SHINE (ページ46)

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「Hi!」

『Mam?』

［久しぶり。元気に、してるの？］

[[元気よ、ママ]]

［最近、全然連絡くれないじゃない？
あら？とってもキュートな顔してるわ。
ステキな人でもできたかしら？］

[[実は…そうなの。いずれ紹介するわ]]
近況報告したり、ママの話を聞いたり…

会話に夢中で、涼太くんがお風呂からあがった事に気づかなかった。

「えっ？」

驚いて見つめられる。

[[…ママ？彼を紹介してもいいかしら？大事な人なの]]

［もちろんよ］

涼太くんにいい？って聞くと不思議そうにしながらも、快く受けてくれた。

「Hi.I'mRyota」

［ハイ、りょうた？あの子の大事な人なのね？］

［そうです。僕にとっても大事な人です］

［あら、ステキな人ね。彼女は大事な娘なの。よろしくね？］

［わかりました］

一緒に画面に入り、手を振って会話を終えると、真剣な顔の涼太くんが説明してくれる？って。

「A？」

『ごめんね？隠してたわけではないんだけど…』

言いにくそうにしてる私を見て、手をひいてソファーに座らせ、髪を撫でる。

「ごめん。怒ってはないよ？驚いてるけど…。
あんな英語ペラペラとか、知らなかったし…」

「ママって言ってたけど…A、ご両親は高校生の頃に亡くなったって言ってたよな？ハーフ？とかでもないやろ？」

『さっきのママは、私が高校生の頃に留学してた先のホストファミリーのママ』

「留学？」

『私ね…』

実は、小さい頃から習っていたピアノでたくさんの賞をもらい、高校では音楽科のあるところに進学した。
海外のコンクールにも出ていた私は、高校進学と同時に姉妹高のあるアメリカにピアノ留学。
その時のホストファミリーがダニエルとメアリー夫妻。
私を本当の娘のように迎えてくれた。

ママ達は、留学中に両親が交通事故でなくなり、呆然としていた私を日本まで送り届けてくれた恩人。

両親の保険金はあったけど、留学を続ける気持ちはなくなり、奨学金もあったけど、高い私立高は辞めて、普通の公立高校へ入り直した。

当時の担任の先生が親身に世話をしてくれて、退学ではなく編入という形で転校できるようにしてくれた。

時々、ママは電話をくれ、心配してくれる。

ママと話すために、英語だけは忘れないように、時々勉強もしている。

「そっかぁ…。」

深くため息をついた涼太くん。