泣いてもいいから ページ5
A「マーダーさん。貴方は分かってもらいたいの?」
マ「、は?」
不意を突かれた様に、マーダーさんは声をあげた。
A「自分のしてしまった過ちを分かってもらいたいって思ってるのなら、それは、、あー、言葉を選ばずに言うなら馬鹿らしいよ。」
私は、そのまま言葉を続けた。いつの間にか敬語が外れてしまっている事も気付かずに。
A「あのね、誰でも失敗や罪を犯してしまう事はあるよ。それは仕方の無い事。偶然じゃなくて必然的な事だから。でも、その失敗をやり直したいって思っててももうどうにもならないよ。過去には戻れないから。」
A「過去に戻れないって分かってるから、人は誰かに共感してもらいたいって思うんだよ。だって、みんなが思っているより弱い生き物だからね。」
これは相手を安心させるための嘘でもない、私のありのままの思い、本心だった。今私の思いに嘘を吐く、なんて、私が私を許せなかったから。
A「でも、それは間違いでもないけど正解でもないんだよ。前を向くためには、過去の過ちを教訓にしていかないといけないから。誰かに話しても心は楽になるかもしれないけど、一方でますます自分が惨めに見えるんだよ。」
A」「でも、私はマーダーさんに説教できるほど偉くないし、私がいくら言ったって最後に決めるのはマーダーさん自身だから、私はなんとも言えないよ。」
A「だから、私が言えるのは__」
考えるより先に体が動いたんだと思う。私は、マーダーさんを優しく抱きしめていた。
A「今までずっと耐えてきたんだと思う。だから、今日くらいは泣いてもいいんだよ、って事だけ。」
私の言葉が心に響いたかどうかは分からない。でも、理解はしてくれたと思う。だって、私を抱きしめ返してくれているから。私の言葉で、泣いてくれているから。
A「沢山泣いていいんだよ。泣き止めなんて言わない。泣くことは悪いことじゃないから。でも、これだけは約束して。次泣く時は教えてよ、絶対に。私がすぐに慰めに行くから。」
マ「、ははっ、んだよ、それっ、」
A「冗談だって思ってる?でも、私本気で言ってるんだよ。おかしいと思うかもしれないけどね。」
マ「、、ああ、本当だよ、お前は今まで出会った事ねぇおかしな野郎だ、でも、」
マ「他のニンゲンにはない情に溢れてるやつだよ、お前みたいなニンゲンに会ったのは初めてだ。」
マーダーさんは、心なしか嬉しそうにしていた。と思った。
61人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星。(プロフ) - 紅奈虹夢さん» いや〜んありがとうございますんとにモチベ上がります🥹💙ネイル!可愛いですよねぇ、絵師様の力量がカンストしてます…… (2023年2月22日 19時) (レス) id: c3d82bdf08 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢(プロフ) - 一気読みしました。面白い、、、、、ホラーが可愛いネイルかっこいい (2023年2月20日 13時) (レス) @page50 id: 57d6b15c0e (このIDを非表示/違反報告)
星。(プロフ) - J mikanさん» ああああみかんさん!?!?!?!?!?!?!?やったああああ戻ってらっしゃったんですね!?!?!?!? (2023年2月4日 14時) (レス) id: 0ddcbb227a (このIDを非表示/違反報告)
星。(プロフ) - 餅丸。さん» 可愛い闇えゆしかかけなくて、、、、しょうがないじゃないみんな可愛いホラたやみたいでしょ、、、 (2023年2月4日 14時) (レス) id: 0ddcbb227a (このIDを非表示/違反報告)
J mikan - あれ、?僕がちょっと詰んでた間になんかパート2にすすんでらっしゃるのですg((((殴 (2023年2月1日 17時) (レス) id: aeb55dd106 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星。 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/meiri0509/
作成日時:2022年12月21日 19時