目が覚めたらauが居た件につきまして。2

本当だよ ページ23

思考の渦に呑まれ、無意識の内に私は顎に手を当てていた。

推理小説や漫画、アニメの主人公が推理をしている時にする、あの定番のポーズ。
私は考え事をすると無意識でそれをしてしまう癖がある。

それに加えて、そういう時は大体人の話が聞こえてないものだから困ったものだ。

なんとか直せないかと努力はしてみたものの、昔からついてる根強い癖は直せない様だ。それすらも、私の癖なのかもしれないが。






話は戻して、それでよく友達から推理小説の主人公みたいだと突っ込まれたり、時には先生や親から注意をされてしまう事もしばしばあった。

そんな調子なので、案の定ホラーからもツッコミを入れられてしまった。

ホ「おーい、おい、A、聞いてんのか？」

A「、、あっ、どうしたの？」

ホ「ったく、お前、なんか考え事してる時大体俺らの声届いてないだろ。ま、別にいいけどよ。」

そう呆れられながら言われてしまった。
半分は申し訳ない気持ちだったが、今考えていた内容を言えばどんな反応をされるかは一目瞭然だ。

それを追求されなかった事には半分感謝、の気持ちだった。


A「ごめんね。ちょっと考え事してた。さ、パピルスさん心配してるかもしれないし、行こうか。」

ホ「おう、＿＿＿あっ、おい、ちょっと、！」

先程ホラーが私にした様に、私も少しだけ強引にホラーの右腕を左手で掴む。

そして、そのまま早足で歩き始めた。

A「さっきの仕返し。でも、ホラーほど強引にはしてないからね。」

私が不貞腐れた様な言い方をすると、呆れているのか、はたまた愛くるしく思っているのか。
ホラーはどちらとも取れる笑い方をした。

A「、、あのね、ホラー。急にこんな事言っちゃうのは変かもしれないけど＿＿私、貴方がいてくれてよかったって思ってる。」

ホ「は？、、ホントに急だな。」

胡散臭そうな言い回しをしているけど、声の響きで嬉しさが隠し通せてない事、私は知ってるよ、ホラー。

A「私の事、偏見持たずにすぐに友達って言ってくれたでしょ。闇auでは、人間に対していいイメージ持たれてないはずなのに。理由はまだ分からないけど。
それでも、貴方は友達だって言ってくれた。その時、すごく嬉しかったんだ。本当だよ。」


少しでも伝わる様に、私は後ろで私に手を引かれているホラーの方を向き、微笑んで見せた。

その時、私の見間違いだったのだろうか。








ホラーの頬が、ほんのり赤く染まっている様に見えた。

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