目が覚めたらauが居た件につきまして。2

笑っちゃいそう ページ14

やばい。この空気感どうしよう。

ホラーめっちゃ悲しそうにしてる。なんなのその表情。おかしすぎるでしょ。

駄目だ、今余計な事言ったら最悪私が今日のホラーの夜食のメインディッシュにされる。それだけは避けたい。
無表情、無言。得意でしょ、表情を作るの。頑張れ、私。持ちこたえて。



この妙な空気感の終着点は、誰のか分からない携帯の着信音だった。
この場とは不釣り合わせなピロン、という軽快な音を鳴らし、より一層この場をシュールな空気感にさせてくれた。

私の胸ぐらを掴んだまま、悲しそうななんとも言えない表情をして固まるホラー。

胸ぐらを掴まれてる間、ずっと無表情な私。

鳴る着信音。

、、、駄目だ、シュールすぎて笑っちゃいそう。こんなに笑いそうになったのはほんとに久しぶり。
でもそれを懐かしむ余裕なんて無い。
もしここで笑ったら本当に殺.されかねない。
私の中では、笑いたい自分と笑いたくない自分が派手に格闘していた。

でも、笑いたかったのは私だけじゃなかった様だ。

ホ「、、、っぷ、はははははは！」

耐えているのは私だけじゃなかったのか。もう耐えきれなくなったのか、ホラーが盛大に笑いだした。

ホ「おまっ、なんだよその顔っ、おかしすぎるだろ、」

A「、、ふふっ、あはははっ、それはホラーも一緒だよ、私どれだけ我慢したと思ってるの、もう。」

私も、ホラーに釣られて思わず笑ってしまった。

ホ「、、はは、よかったよ。お前がちゃんと笑ってくれて。」

A「え？どういう事？」

ホ「だってよ、お前、さっきホットドッグ食ってる時からちょっと顔曇ってたじゃねぇか。パピルスは気付いてなかったみたいだけどよ。A、なんかきつい事でもあったら言えよ？トモダチなんだからな！」

あれ、気付かれてたんだ。ホラー、表情の変化に気付くの得意そうだもんな。生得的本能、ってやつか。

A「うん、ごめんね。心配かけてたみたいで。私は大丈夫だから、心配しないで。」

そう、私は大丈夫。それが嘘だとしても、絶対に相手に余計な心配をかけたくない。
これは私の問題だから。そんな譲れない信念が、私の中にある。例え、その相手が友達だとしても。

ホ「そうか、分かった。もう大丈夫そうだな。それじゃ、気ぃ取り直して、どっか出かけようぜ！」

今度は気付かれなかったみたい。出来るだけ頑張って表情作ったんだから、バレたくなかったからよかった。

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