27.血 ページ28
「なっ……」
「簡っ単に騙されてくれて助かるな……俺が通り魔なんざする訳ねえのによお?」
若干強く手首を押し付けられ、足掻いても離してはくれない。
「何のためにこんな嘘……」
「ま、俺の欲求不満だな。最近Aといちゃこらできてねーしぃ?」
「意味分からん離せ……って!私にはマルコスが…」
「そーんなに抵抗したら体力無駄になくなっちまうぞ?」
ビクともしないため、ポケットから護身用のナイフを取り出してさっちんに向ける。
「おーおー落ち着けよ。そんな取って食ったりしねーって」
「嘘付け……」
「てかAにナイフ向けられるの久し振りだな」
「そんな呑気なこと……いっ…!?」
首筋に思いっきり噛みつかれ、恐らくは血が流れた。
「…へえ。痛みにはそこそこ強いんだな。大の男に首思いっきり噛まれて痛みで足掻かない奴はそうそういないぜ」
「うるっ…さ………ん、う……!」
流れた血を舌で舐められ、詰まった声が出る。
「………っと……この辺が限界か……ほんっと経験ないんだな…」
「、まだ16だし……」
「いやー16でも何回もしてる奴はしてるぜ」
「関係ない……」
満足したように私の上から降りると、手を出してくる。
「ほい、立てるか?」
「床にぶっ倒した張本人が言う…」
「悪かったって〜w」
手を借りずに立ち上がると、ふっと力が抜けて座り込んでしまう。
「ほらぁ意地張るなって」
「……」
よし。
今日はベッド独り占めしてやると決めた。
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梓 桜 。(プロフ) - 同僚強制送還ありがとう…(?)思い出した場面で涙出ました…13推しなので素敵な作品に出会えてよかったですありがとうございます( ; ; ) (2020年2月16日 3時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
j - 最高かよ。今までの長編でぶっちゃけ一番のお気に入りですわw (2019年3月26日 15時) (レス) id: dca4a7bbac (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - アレスさん» 実は長編を書くのは得意ではなくて、短編集がよく続けやすいんです…この小説を一作品で終わらせてしまった分、新作頑張ります! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - Xシェンさん» 不定期更新で何日も空いてしまう時もありましたが、飽きずに読んで頂いて嬉しいですー!新作はもっと頑張りますよ! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - 読んでいてとても楽しかったです!お疲れ様でした。さっちんとアダムの短編集、楽しみにしてますね!(≧▽≦) (2018年6月22日 20時) (レス) id: 820c60ea51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹雨 | 作成日時:2018年5月6日 13時