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終わった恋の、最後 ページ31

辰哉くんには好きな人が居る。
だから、私のことはたぶん何とも思ってないはず。
そう思って部屋に入って。

話をするうちに一緒に居た頃の空気感になったのが
嬉しくて。
つい忘れてしまいそうになる。

私にも蓮が居ること。

だけど……最後って言われて。
やっぱり、終わりなんだなと思うと、
涙が止まらなくなった。


こんなに優しい人の手を、先に話したのは私だ。


「辰哉くん、ごめんね」
「もう謝らないで」

「ちゃんと蓮には秘密。ね?」
「でも……たぶん、バレる」

「Aちゃんが頑張って黙っていれば大丈夫」
「だけど……」
「勝手に居なくなった代わりに、頑張って」
「……分かった」

彼の指先がくちびるをなぞって。
あぁ、この指も好きだったなと思う。

見上げると少し意地悪そうな表情が崩れて。

「なぁに見てんの?どうした?」
って言うから、
この人のことを手放したのは、
間違いだったんじゃないかと錯覚しそうになる。

「Aはさ、
 俺よりも先にちゃんと幸せをつかんだんだから。
 ちゃんと蓮に思われてて、
 佐久間にまで好かれてんだろ。
 すごいよ」

「……でも」


「だから、俺はもう過去の人。おっけー?」


「……わかった」

「俺も、ちゃんと前に進むからさ」

「まだ応援できるほど強くないけど、幸せになって」
「Aもだよ」
「……うん」
「まぁ、めめは彼女のこと、すごく大切にするやつだよ。
 大丈夫。顔も格好いいし、声も良いし。
 佐久間は……まぁ、放っておけば回復するよ。
 弱くはないからさ」
「うん」

「なぁに、惚れ直しちゃった?
 俺のところ戻ってきたくなった?」

「……だいじょうぶ」
「はっきり言うなよ!」
「ふふっ……ありがと」

送ると言ってくれた辰哉くんに、
免許……取れたの?と聞くと、
いや、タクシーだけど?
って当たり前の顔で言われたから、
もう休んでください!と、玄関で念を押して。

「今まで、ごめんね。ちゃんと言えてなくて。
 ありがとう、大切にしてくれたことも、
 優しかったことも、ちゃんといい思い出」

「おう、幸せになれよー」

「辰哉くんもね」

「俺はモテるから!大丈夫!」
「好きな人に、思いを返してもらえるように祈ってるから」

そう言って、玄関の扉を閉めて。
辰哉くんと私の関係は、完全に終わってしまった。

ふわふわピンク→←きみを困らせたい 紫side



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ひな(プロフ) - ビルスさん、ありがとうございます!初コメント、感想を頂けて嬉しいです!メインがふっかさんなので、やっぱりそこのご要望は汲んで行けたらと思ってます!ありがとうございます! (2023年2月8日 10時) (レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
ビルス(プロフ) - こんにちは。読ませていただいてます。でも最後はふっかと戻ってほしいです。願望… (2023年2月8日 7時) (レス) id: e2c763f4f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2023年2月7日 13時

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