続き。 ページ22
「う…ん?」
俺が目を覚ますと、そこには無機質な空間。
辺りは真っ白で、何も無い。
いや、違う。
《何も見えない》。
「目は覚めましたか?銀さん。」
やがて聞こえる聞きなれた声。
「新八…。お前、これはどうゆうつもりだ?」
声をはりつめ、問う。
低く、冷めきった声で。
「どうゆうつもりって…。わかるでしょう?
勘の良い銀さんなら。」
何処か甘い表現を感じさせる新八の口ぶり。
「わからねえから聞いてるんだろ?なぁ?答えろよ。」
こいつが何を考えているのかはしらない。
ただ、今置かれてるこの状況が安全とは限らないとはわかる。
「もう…。わかりましたよ。
貴方が、好きなんですよ。愛してるんです。」
新八はさも当然かとでも言うように俺に到底信じがたい言葉を発した。
「…は?」
俺は暫く唖然としていた。
こいつが俺の事を、好き?
別に同姓のおっさんに好意を抱く事に関しての疑問はそこまで無い。好きになってしまったのなら仕方のない事だろう。
だが、だからと言ってこんな行動、常人には有り得ない。
俺は唯一常人だと思っていたこいつがそんな事をするとは思っていなかったため、混乱で思考が追い付かない。
「僕…ずっと我慢してたんですよ?銀さんはマダオだけど、とてもいい人ですから。浮気なんか絶対にしないって。
でも…次第に僕以外の誰かに笑顔を見せたり、関わったりすることが許せなくなってきたんです。もう…限界だったんです。だから…。」
「こうやって、閉じ込めれば良いと?」
新八は黙って頷いた。
「はぁ…。案外めんどくせぇな。おめぇは。」
ため息をついて、俺は言った。
「とりあえず、この目隠し、外してくんない?お前の顔、見えないだろ?」
成るべく優しい声で要件を言う。
新八は喜んだ様子で目隠しを外した。
だが。そこは…。
「…!!」
嘗ての、俺の忌々しい記憶が甦る場所だった。
殴られ、叩かれ、蹴られ、ボロボロになった。
「…お前…。どうしてこの場所を…!!」
自然と沸き上がる恐怖が俺を支配する。
「…あははっ。銀さんのそんな顔、初めてみました。びっくりしたでしょ?」
「あ、あ…。」
震えが収まらない。声も出ない。何故だろう。一人で此処を見るのなら何も怖くない。
今あの時と同じ目にあっても怖くはない。
なのに。
どうして、今俺はこんなに怖いのだろう。
「…僕、銀さんの特別になりたいんです。だから…僕でしか知らない銀さんを知りたいんです。」
続く
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赤珠(仮) - 天さん» 告白ぅ!?←はぁ? ありがとうございます!! (2018年8月21日 21時) (レス) id: 274f6fc7d9 (このIDを非表示/違反報告)
天 - こんにちは、初見です。好きです(唐突) (2018年8月21日 12時) (レス) id: 37693eaa1b (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 赤珠(仮)さん» 取り合えずしたよ。「玉と点」ってヤツ (2018年8月21日 9時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(仮) - ドットコムさん» ありがとうー (2018年8月21日 9時) (レス) id: 1a1fb9156b (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 赤珠(仮)さん» やってみる〜 (2018年8月21日 9時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤珠(元 チョコうさ。) | 作者ホームページ:http://flower1218
作成日時:2018年7月31日 11時