スリール～笑顔～【夢色パティシエール】 (ページ23)

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Story.20 ページ23

「ちょ、ちょっとホイップ！」

ホイップ「そして樫野真、安藤千之助、花房五月。あなたたちはスイーツ王子と言

われているけど、実力がなさすぎるわ。こんなんでよくスイーツ王子って言わてるわね。同じAグ

ループのAがかわいそうすぎるわ。」

「ホイップ！言い過ぎ！」

ホイップ「事実を言っているだけよ。」

「みんなごめんね。」

いちご「あっ、ううん、事実だから…。それで、宮廷パティシエってどういうこと？」

バニラ「ホイップ様は宮廷パティシエなの。その宮廷パティシエの中でも実力は飛び抜けていら

っしゃるの。けど、人間界にすごい才能をみつけたって言って、特例で修行をされていて、それが

七海Aだったみたい。」

花房「そんなにすごいの？」

カフェ「ホイップ様は史上最年少で宮廷パティシエになり、女王様にも認められているんです

よ。」

安藤「そうなんだ。」

「本当にごめんね。ホイップ、心を開いてない人にはいっつもこうなんだ。」

カフェ「この学園と精霊界はあちこちで繋がっていて、僕ら、修行のためにでてくるんです。」

いちご「知ってる。人間とペアを組んで、スイーツの練習をするんでしょ？宮廷パティシエになる

ために。」

「「「「宮廷パティシエ！」」」」

いちご「みんな、本当にパティシエになりたいんだね。」

安藤「僕たちだってそうだろ？」

いちご「あっ、そういえば安藤くんは実家の和菓子屋さんのとなりに、和洋ドッキングさせた店を

出すのが夢だったね。」

花房「僕は、華道家の母と衣、食、住のコーディネーターを目指しているんだ。」

樫野「俺は絶対、一流のパティシエになって、一流の店をもつ。だからここもトップで卒業する。

しなきゃならないんだ。」

みんなすごいな。

いちご「Aちゃんは？」

「私？私はみんなみたいに夢はない。ただたんに、ある人に憧れて、その人にお礼をしたかったか

らここに入学した。それに、パティシエールの道に進むことは許されないから…。」

いちご「えっ？」

「いや、なんでもない。あっ、私、この後用事があるから先戻ってるね。」

嘘だ、用事なんてない。

ただ、夢の話をしたくないだけ。

どんなに頑張っても、パティシエールにはなれないから。