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約束の日 ページ50

ヒロがいなくなった日に


タマとあの場所に行くのが恒例になった。



裕太「ヒロ元気かな?」


「なんか恒例行事みたいになっちゃったね」



目尻を下げて笑い合う。






約束した日から13年後。


タマとスコップで一生懸命タイムカプセルを

掘り起こして、








取り出した手紙をタマと読みあって、恥ずかしくて笑った。



でもヒロのは読んでいない。



なんだか怖いから。











肌に照りつける太陽が痛くて。


ねぇヒロ。


見ていますか?



あれから
もう何年も経っちゃったよ。


私は変われていますか?








あの日から少しでも



前に進めていますか?






満開の桜の木を見ながらそんなことを考える。


もう大丈夫なんて言っても、


どこか寂しくて。







その時春風が強く後ろから吹いた。


思わず後ろを振り返る。




その先に人影が見えた気がした。





ゆっくりと近づいて来てて人影が大きくなる。



そのうち顔が分かるぐらい近くなって














溢れ出る涙を止めることが出来なかった。











宏光「俺、記憶力はいい方だから」






太陽のような笑顔で彼は笑う。












最初は信じられなかった。






でも手に触れると、握り返してくれて






その確かな感触に涙はさらに溢れだす。







「...うっ...っ、っ..ふ.....っ」




宏光「泣くなよ、バーカ」




大人になったヒロ。




皮肉にもさらにカッコよくなってる。









「ヒロばっかり変わって...」




宏光「そんなことないよ。Aも変わったよ」







宏光「...それになんかちょっと可愛くなった。」






桜よりピンクに染まっているヒロの顔。










宏光「俺ら3人さ、変わらないために
変わり続けようぜ」





自信満々に言った彼をタマと私で笑う。





その時間が愛おしくて愛おしくて



ずっと待っていた。
















「...あっ、猫!」


ベンチの上の猫がこちらを見つめている。





宏光「本当だ、お前呑気でいいなー」


手を伸ばし喉を撫でた。








裕太「ん?首輪ついてるよ?」




「なになに、名前は...?」














宏光「...トラさん?」











気持ちよさそうにニャーと猫が鳴いた。

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作者名:ひなた | 作成日時:2019年1月1日 23時

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