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夕陽 ページ49

色々な情報が一気に入りすぎて


頭がうまく回らない。




この手紙にはヒロの全てが詰まっている。






裕太「...と、こっからは俺の意見なんだけど


彼は間をおいて口を開いた。



私はタマから受け取った手紙をギュと握りしめる。







裕太「ヒロにとって自分より大切な存在。
それはAだったんじゃないかな?」





ヒロ。

バカ、本当にバカ。







でも気持ちとは反対に溢れ出す涙は止められなくて。



「...っ、最後まで、っ..カッコつけんなよぉ..っ」





口から漏れたその声。

タマに聞こえてたか分からないけど




彼は静かにうつむいた。










最後までカッコつけたヒロ。


でもそれがやっぱりヒロらしくて



胸がホッと暖かくなる。








「教えてくれてありがとう。
タマのおかげで、前に進めることが出来る。」






後悔するかもと思った自分こそ


バカだった。














ベンチから立つと太陽が沈みそうで



オレンジの空がそこには広がっていた。











暖かくも優しく、そして抱きしめるように



オレンジの光が頬を撫でていく。









裕太「3人で見たかったな」







いつのまにかタマが隣に立っていた。






「だね。

でもきっとヒロは今、この空を見ている気がする」






理由はないけど自信だけはあって。




ふふっと彼は笑った。






















街の建物より少し高い丘の上。












その夕陽に照らされた家の屋根も


オレンジに染まる空の色も


夕陽の暖かさも

















私は2度と忘れないと思う。

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作者名:ひなた | 作成日時:2019年1月1日 23時

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