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7年ぶり ページ46

あまりの大きさに足を止める。



「きれい......」

裕太「ね、本当にきれい。」




久しぶりに見る桜の木。




あの頃みたいに花びらが満開で






天まで届きそうなくらい


堂々としてて。






タマも目を細めて桜を見上げてる。












もっと近くで見たい。



いつのまにか足が桜の木の方に進んでいた。







一歩一歩ゆっくり大切に


距離が近づいていく。






後ろから彼もついてきてくれて








やがて、手を伸ばせば届く距離に。







手を伸ばしそっと木の幹に触れる。












暖かい。



触れた箇所だけ熱を帯びたように暖かった。





こんなに優しい暖かさがあるなんて。







目を閉じると


あの頃の私たちの笑い声が聞こえた気がした。







「大丈夫。 きっと迷わない。
タマと強くなれた。」



触れている箇所に想いを込め、


小さな声で唱える。









その声が聞こえてたのか


タマが優しく喋りだす。




















裕太「ずっと言わないとって思ってて、
いつのまにかこんなに時間が経っちゃった。」




タマの顔を見ればこれから話すことなんて


簡単に想像出来た。









私はこれを受け止めないといけない。










「...あそこのベンチ行こっか」




私もそう優しく言った。

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作者名:ひなた | 作成日時:2019年1月1日 23時

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