告白 ページ33
伏せた目をゆっくりと開けて
彼は空を見上げた。
そんなタマにつられ私も空を見上げる。
今日は
滲んで見えないなんてことはなかった。
一等星がキラリと輝く。
あの時に埋めたタイムカプセルのようで。
懐かしい。
温かい気持ちが胸いっぱいに広がった。
タマが手を強く握り返した。
びっくりしてタマを見る。
えっ、
タマの真剣な瞳で私を見ていた。
あまりにも真っ直ぐで
息をするのを忘れていた。
裕太「俺ね」
彼は1つ1つの言葉を紡ぐように
ゆっくりしゃべりだした。
裕太「Aが好きだよ。」
思ってもみなかった一言に
私は目を見開いた。
「...っ、う、嘘だよね?
やめてよ..なんか、ドッキリでしたーとか..
笑ってそう言って続けようとしたけど
次の言葉が出てこなかった。
だってタマがあまりにも真っ直ぐに
私を見つめているから。
彼はゆっくりと歩き出した。
裕太「本当。幼馴染として、じゃなくて
女の子としてAが好きだよ。」
言葉1つ1つが空に溶けていく。
いつのまにか繋いでいた手は
行き場をなくしていた。
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作者名:ひなた | 作成日時:2019年1月1日 23時