笑顔 ページ22
タマは決して強いわけじゃなかった。
きっと私と同じように苦しんで、
悩んで、
もどかしくて。
でもタマは今こうやって歩き出している。
「タマばっかり走らせてごめんね...っ。
これからは..今日からは........
一緒に歩いて行こ？」
タマの背中に私の精一杯の思いをぶつける。
ゆっくり振り向いたタマは
涙で顔がぐちゃぐちゃで
思わず笑ってしまった。
「Aは笑ってる方が可愛いよ」
そう言って優しく髪を撫でてくる。
思わず赤面してしまい
ばっと俯いた。
なんだかいつものタマじゃないみたい。
裕太「あっなんかごめん」
私が俯いてるのに気づいたからか
すぐに手を離した。
「全然大丈夫だよ」
裕太「ヒロもAが笑ってた方が
好きだと思う」
帰り際、タマがポツリと呟いた。
でもタマが、あまりにも悲しそうな顔で言うから
いつもみたいに
笑い返すことが出来なかった。
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作者名：ひなた | 作成日時：2019年1月1日 23時
