心の叫び ページ21
「ここに来るのに2年もかかっちゃったよ」
私は俯いた。
「だからね、私はタマみたいに強くな...
裕太「Aは強いよ?」
タマの言葉によって
かき消された。
えっという私の顔を無視してそのまま続ける。
裕太「だってAさ、
今日自分の力でここに来れたじゃん」
裕太「それって2年前から前に進めてると
思うよ」
ね?ってタマは優しく微笑んだ。
タマの優しい言葉に
涙が止まらなかった。
「タマ...っありがと..う」
髪をぐしゃぐしゃして
彼はくしゃって笑った。
いきなりタマが立ち上がり
部屋の窓を開けた。
ブワってカーテンが大きく揺れる。
部屋が春の匂いに包まれた。
光の先に立つタマがなんだかすごく
輝いて見えて
思わず目を細める。
タマが外を見たまま
ポツリポツリとつぶやき始めた。
裕太「ヒロ、聞こえてる?
今どこにいるの?
何をしてるの?
大切な人泣かせて、
笑顔まで奪ってどうすんだよ。
...はやく...っ..はやく帰ってこいよ...っ‼」
彼は肩を震わせて空に向かって叫んだ。
泣いてるタマの姿を見るのは初めてで
「...っ、タマ..ごめんね...っ」
気づけばそう言っていた。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなた | 作成日時:2019年1月1日 23時