溶けそう【山田一郎】

溶けそう３３ ページ34

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A、泣いてる？

なんでだ？寂しかったのか？



「Aー、どうした？寂しかったのか？安心しろ、俺はもう仕事終わったぜ。」


頭を撫でると、より一層スリスリと顔を押し付けてくる
普通に可愛い、弱ってるAも可愛いな
って、そんなこと言ってる場合じゃないのか




「あれ、山田一郎と波多野Aじゃね？」

「うわ、ほんとだ。付き合ってるって本当だったんだ」

「一郎くん、やっぱり付き合ってたんだ」

「なんで波多野Aなの？意味わかんない」


………………原因はこれか

あの件があった時以来、直接聞かれたら本当のことを言って聞かれなかったら無駄に口を開かないようにしてた。が、この状況をイケブクロの街でしちまったらもう否定できねーよな。元々するつもりもなかったが


Aに、迷惑かけたよな……こんな思いさせちまうなんて有り得ねえ男として失格だ



「すみません、山田一郎さんですか？」


……………やべぇ、記者まできやがった

早くね？それか待ち構えてたのか



「……そうっすけど」


「そちらの方は？」



言うべきか？Aが嫌な思いするんじゃないのか、どうなんだろうか



『波多野Aですが何か』


A本人が言うのかそれを！Aから言ったからもう逃げねーってことだよな


「おふたりは交際されてるのですか？」


よくもまあ、ぬけぬけと。お前らがいかにも交際してるといった記事を出しただろ。

ま、付き合ってるけど



「ええ、波多野さんとお付き合いしています。」


周りのひともドっと声を上げる



「うっそー！！最悪！」

「波多野とかありえないっしょ、一郎くん趣味わるーい！！」

「Aちゃん可愛くて好きだったのに……山田一郎ならしょうがないか……女子の嫉妬怖いな」

「絶対に私の方が可愛いのに」



Aがうつむいてしまう、Aは元々こういう業界に慣れてない女の子だ。急にデビューして交際記事を出され嫉妬されるなんて、耐性があるわけない



「記者さん、マイク借りてもいっすか？」


「？、はい、どうぞ」


俺はこの際だからキッチリしておこうと思った。Aは俺が守らなければいけない


「いいか、俺は芸能人じゃねえ。ましてはアイドルでもねえ。好きな女がいれば告白するしアタックもする。一人の人間だ。この交際は俺から告白した。以上！俺のAに手ェ出すなよ。」



Aが俺を助けてくれたように



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新曲とドラパやばい、無理
やばい、無理

一郎かっこいい

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