溶けそう【山田一郎】

溶けそう１６ ページ17

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ココアを飲むAを見る

滑らかな唇とか、スッてしてる首の筋とか、細くて綺麗な指とか、なんかガン見してしまう。

俺変態か？やめるんだ、俺...




2年前からAのことは知ってる。俺のファンの中で一番目に付いたのがAだった。他のファンの子達はライブが終わった後に話しかけてくる子がほとんどなのだが、Aは一切そういうのをしてこなかった。いつの間にか居て、いつの間にか居なくなってる。最初はそういう印象だった。もう一つの理由は、やっぱりどこかで見たことがあるんだ。また別の全然違う場所出会っている気がする
どこだっけ？うーん思い出せん。


『んー！おいひ〜！』


Aがいちごパフェを頬張る


ほんと、こういう所かわいいんだよなぁ
自分でも顔が緩むのがわかる。


「Aはいちごが好きなのか？」

『はいっ、いちご大好きです！』


女の子らしくて可愛い。だけどAには女特有の性格が無い。自分を自分だと行動で表現出来ている。
またそれが可愛い。


と、そこに、通路を歩いてた5歳児ぐらいの女の子が転んでいるのを見かけた。
俺が席を立とうとするより前に、Aがその女の子のところに行っていた。

俺と似て、お人好しか。やっぱり可愛い。



女の子が泣いていたので、ハンカチを持って涙を拭いている。

ん？そのハンカチって...


あ、思い出した...かも...



『お待たせしました、あういう子見るとほっとけなくて。』



「A、」



『え、はい？どうしましたか？』




「もしかしてだが、俺と同じ学校に通ってなかったか？」




『................え』




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