仁 二度目の初期刀 ページ3
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「君たちは、新しい審神者かい？」
本丸を見渡した時背後から声がした。
そして、膨大な量の殺気も。
「貴方は...歌仙兼定さん、で合っていますか？」
「あぁ、合っているよ。
君たちは、政府から新しく配属された者かな？」
「その通りです。
今回、この本丸へ新しく配属された水無月Aと」
「妹の水無月霞です！！」
歌仙「...そうか。」
「僕はこの本丸の初期刀だった歌仙兼定さ。どうぞ宜しく。」
初期刀“だった”か。
前任が居なくなって、初期刀としての役目を終えたのであろう。
なら、本丸のことを良く知っているはずだ。
「二度目にはなりますが...本丸の初期刀として、私たちを案内して頂けないでしょうか？」
「...構わないよ。只、」
「怪しい行動を見せれば、即刻切り刻む。」
彼がそう言った瞬間、辺り一面に凄まじい量の殺気が溢れた。
「...こっわぁ...これもやっぱ、前の審神者のせい...?」
霞が小さく尋ねて来た。
もし彼に聞かれたらどうするつもりなのだろうか...
...まぁ、怖いのは分かる。
恐らく彼の練度は上限を越している為、その分殺気の量もえげつない。
「十中八九、前任の所為でしょう。見た限り、この本丸は酷い状況ですから。」
私も小さくそう返す。
そして案内よりも先にするべき事を思い出した。
「歌仙さん、今、この本丸で負傷している刀剣男士は居ますか？」
「この本丸の現状は既に目にしているだろう？...なら、言わずとも分かる筈だ。」
「...負傷者の多い場所へ案内して下さい。手入れをします。」
「...君が手入れを？」
「えぇ。他の者より手入れは出来ると自負していますので。」
「姉ちゃん、手入れは凄い上手なんだ。他のことも出来るけど。」
「...分かったよ。手入部屋へ案内する。
只、不穏な動きを見せるようであれば容赦はしない。」
「...承知の上です。」
そして歩き出した彼の後ろ姿を追い、私たちも手入部屋へ向かった。
．
参 本丸の現状 (グ ロ注意)→←壱 義姉妹の審神者、新たな本丸へ行く
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作者名：イズミ | 作成日時：2022年6月13日 17時
