14話 俺の過去の過ち ps目線 ページ16
しんぺい神目線
「・・・行っちゃったなぁ、Aちゃん。」
「・・・そうやね。」
俺たちは、ラテーネ国の入り口を少し離れた所から見ていた。
王女や国民達に取り囲まれ、笑顔で別れを告げていた。
そんな笑顔を見て俺は、昔の過ちに目を向けた。
ーーーーーーーーーーーーー
『しんぺい神〜！怪我したから治療して〜！』
「は？するわけないじゃん。」
『そこをなんとか〜。』
毎日の様に戦場に行ったAちゃんは、裏切り者になっても俺の元へ来た。
その時の俺は、裏切り者という肩書きからか、Aちゃん自身を大切にしなかった。
そのおかげで、Aちゃんの傷は日に日に増えていくばかりだった。
しかし、ある日の事だった。
『しんぺい神〜！』
「だーかーらー・・・お前、ソレどうしたん？」
なんと、Aちゃんの古い傷が消えていたのだ。
生涯一生、消えないと思われていた傷も完全に消えていた。
『これ？これねー、私の親友のおかげなんだ！』
「ふーん、お前にも親友っておったんやな。」
俺はこの時苛立っていた。
俺でも治せそうのない傷を、Aちゃんの親友という、誰かが治してしまったことに。
「おい。」
自分の口からは、自分とは思えない程の低い声がでた。
『な、何？』
Aちゃんがビクッと反応し、返事をした。
俺は手にメスを持ち、Aちゃんの腕を掴んだ。
『しん、ぺい神？』
そう言った瞬間
シュッ！！
俺はメスで彼女の腕を攻撃した。
『ッ！！』
彼女は一応戦闘員だった為、避けたのか、メスは少ししか刃を通さなかった。
「・・・お前には、俺よりも腕のいい、親友がいるんやろ？ソイツに診てもらったらどうや⁉」
『・・・うん、これからはそうするね。』
Aちゃんは、ハンカチで傷口を抑えながら、悲しさが混ざった笑みを浮かべた。
ハンカチはすでに二分の一を紅色に染めていた。
Aちゃんは、腕を抑えながら医療室を出て行った。
それ以降、Aちゃんは俺の元へは来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルカ(プロフ) - 有さん» そうなんですか！？凄く嬉しいです！！part3も投稿し始めたので、そちらも楽しみにしていて下さい！！ (2019年1月8日 0時) (
レス) id: 9c782127cb (このIDを非表示/違反報告)
有 - あのですね？私、何時も主人公に感情移入しちゃって、主人公と泣くことが多いんですよ。今回、客観的に見てても、泣ける小説は初めてです！（最高でしたわ。はぇぇ） (2019年1月7日 23時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
ハク - 続編！もちろんよろしくお願いします〜楽しみにさせてもらいますね！ (2018年6月24日 16時) (レス) id: 19710dfa66 (このIDを非表示/違反報告)
クルカ(プロフ) - ハクさん» 閲覧ありがとうございます！もう少しで続編に行きそうなので、そちらでもよろしくお願いします！！ (2018年6月23日 22時) (レス) id: 9c782127cb (このIDを非表示/違反報告)
ハク - 初めまして！ハクと申します。いいっすね^~続きが楽しみです、これからも頑張って下さいね(*´ω｀*) (2018年6月23日 21時) (レス) id: 19710dfa66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クルカ | 作者ホームページ：http:/uranai.nosv.org/u.php/hp/yukanovel01/
作成日時：2018年4月1日 13時
