夢で会えたら【N/S】 (ページ10)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:135,948 hit

10.大事な後輩ページ10

翔「うちの女子社員に手出すのやめてもらえる？」

そう言いながら櫻井さんは、私の腕を掴んでいた男の手を振り払い、ぎゅっと私を引き寄せた。

急に距離が近づいた櫻井さんの真剣な顔に、
ビクッとして、
頬が熱くなるような気がした。

これは酔ってるからかな…
怒ってる顔なんて、初めて見たからかな…

翔「大事な後輩なんで。」

そう言って男たちを睨むと、男たちはそそくさと戻っていった。

男前な櫻井さんが睨むと、ぱっちりな目が鋭く細められて、すごい怖そうだもん…。

あ「あ…あの……ありがとうございました。」

私は掴まれた腕をさすりながら、櫻井さんに頭を下げた。

翔「お前とろいんだよ。
あんな奴ら、うるせー、って一言言えばいいんだよ。」

あ「はい…すみません。」

口調は怒っているけど、櫻井さんの顔は私を心配してる顔。

その顔に、心臓のあたりがきゅうぅっと小さく音を立てた。

翔「てかお前、そんな酔ってんの？大丈夫か？」

あ「あ、いえ。はい。
あの…だ、大丈夫です。」

私の顔を覗き込む櫻井さんとの距離の近さにまた戸惑って、

かぁっと恥ずかしくなった。

それを見透かされるのもまた恥ずかしくって、

私は慌てて宴会に戻った。