22.櫻井さん ページ22
「おはようございます」
「おはよう〜」
「出張お疲れ〜」
翔「長谷川、おはよう！
昨日はお疲れさん。」
爽やかな朝がピッタリな櫻井さん。
缶コーヒー片手に笑顔で隣のデスクに腰掛ける。
あ「おはようございます。昨夜はいろいろありがとうございました。」
私も机の下にカバンをしまいながら、笑顔を向ける。
翔「お前、彼氏居たのな。
てっきり居ないもんだと思ってたわ。」
あ「え、なんでですか？」
翔「んーー、前からそんな雰囲気だったけど、昨日飲み屋で絡まれてたろ？」
あ「あ、はぁ……」
翔「あの感じ見てたら、慣れてなさそうっつーか、男なんか居ないんだろーな、と。」
あ「……。」
私はちょっと子供扱いされてる気がして、
むぅーっと不機嫌な顔をした。
あ「私だって…人並みに…その。はい。
いろいろありますから？」
櫻井さんは椅子の背もたれにぐいーーっと身体を預け、左右にクルクル揺れながら、
手に持ったペンを唇に当ててる。
翔「ほーだよな。わりーわりー。
気にすんなって。」
なんて。適当に謝るし。
もぉっ……信じてないかも、この人。
まぁ、確かに男性経験はないわけで。
彼氏も、昨日初めて出来たところなんだけども…。
翔「まぁ、あれだ、なんていうか…
願望？っつーの？……俺のね？
それが含まれてたかな。」
あ「……？」
翔「だから、お前に彼氏なんて、居なければいいのにな、ってね。」
…またそんな調子イイこと言うんだから……//////。
身体を起こした櫻井さんは、
デスクに頬杖を付きながら、目線だけ私を見てる。
あ「もー、女子社員に大人気な櫻井さん！！
後輩からかってないで、仕事しますよ！仕事！！」
そう言って机をトントンってたたくと、
櫻井さんはがははっ！って楽しそうに笑った。
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作者名：みなもん
| 作成日時：2015年4月7日 0時
