【呪術廻戦】虎杖悠仁の妹

〇兄妹とナナミン ページ10

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七海「 あいかわらず仲がいいですね 」

「 当たり前じゃん！俺とAだよ？ 」

七海「 はぁ。ところでなんの用で？ 」

『 ナナミンに会いに来ました 』

七海「 必要性が感じられませんが 」

『 ？ 』

「 ナナミン今暇だしいいじゃん！ 」





ニコニコとした笑顔で話す虎杖くんに少し申し訳なさそうな顔をしているAさん

私に会いに来たと言っていたがそこまで好かれるようなことをした覚えはない





「 まあ安心してよ。Aが話したいことあるんだって 」

『 うん 』

七海「 …ああ、なるほど 」







兄に相談できないことは大抵他の1年生や五条さんに話を聞いてもらっているらしいが、私に相談したいという内容は残念ながらそう明るいものではない






「 んじゃ、俺そこにいるから終わったら言ってね 」

『 わかった。またね 』





しばらくの沈黙。破ったのはAさんだった







『 …兄の死刑はいつ頃執行されるんですか 』


七海「 虎杖くんが全ての指を取り込んだ後だと聞きました。実際にどうかは知りません 」


『 絶対に、…死なないといけないんですか 』


七海「 両面宿儺を抑え込めるとは思えません。それは不可能だと思います。 」


『 そう、ですか… 』








Aさんがここに来た理由は兄が特級呪物を飲み込んだからだ、と話していたのを思い出した。

ある日突然祖父が死に、立て続けに虎杖くんが事件に巻き込まれた。Aさんは家で寝ていたらしい


寝て起きて話されたのは兄の死刑。普通の人ならこんなに冷静にいられないだろうし逃げ出したいだろう






七海「 …私には何もできません。」


『 …ナナミンは何も悪くないよ。』






まだ16歳、唯一の家族が大勢の人を救うために殺される。責めようにも責められない。

…なんて可哀想な子供なんだろうか





七海「 …虎杖くんについて私に出来ることはありません。ですがAさんにできることは多くある。」





まだ彼女は子供。
大人が親身に話を聞くべきだと思う







『 そうだね、私も私に出来ることをしたいと思う。ありがとう、ナナミン 』

七海「 どういたしまして。…はい、頑張ってるAさんにはこれをあげましょう 」

『 飴？ 』

七海「 喉を詰まらせないように 」

『 うん、わかった 』





普段神頼みはしないが彼女に対してはつい願ってしまう

虎杖くんが処刑される日までは平穏に仲良く暮らせるように、と。









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