百六十七話 君を生けられたら… ページ8
月夜さんに座卓に汗をかいた冷たい麦茶を差し出された。
A「ありがとう…ございます……。」
私の向かいに腰を降ろし、お茶を一口飲んだ。
今、來夜は出掛けていた。
何十畳もある和室に、私と月夜さんは二人っきりだった。
月夜「Aちゃんはさ、覚えてないかな?」
A「………?」
月夜「俺とAちゃんは、初対面じゃないんだよ。」
にやりと口角を上げながら月夜さんは言った。
A「_____え?」
私が間抜けな声を出すと、目の前の相手はクスリと笑った。
月夜「やっぱり、覚えてないかあ………。俺はこんなにも覚えてるのに。」
唇を三日月の形にしながら残念そうな顔になる。
月夜「俺はあの日から君を忘れた事なんか無かったんだよ…?」
A「あの…………月夜さん………?」
月夜「月狂が君と付き合ってるって知った時、心底妬ましかったんだ。月狂が。」
A「…………月夜さん……………?」
月夜「君は魅力的過ぎる。」
A「月夜さん……………………。」
困惑した私などお構い無しに、月夜さんは私の頬を優しく撫でた。
月夜「俺の腕の中で、君を生けられたらどれだけ幸せだろうか。」
切なそうに呟いた月夜さんは次の瞬間、私の唇を容易く奪った。
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すいません、少しだけの更新です…………。
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日名無 りん(プロフ) - NZMさん» ありがとうございます!!!!綺麗なんて……!!!光栄です!!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても綺麗な作品だなと思いました! (2019年12月2日 23時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - まりもさん» それは本当に良かったです!皆様のお陰様で無事完結を迎えられました! (2019年7月27日 21時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - ヤンデレ系は苦手なのですが、これは続きが気になるほど面白かったです。完結、おめでとうございます! (2019年7月27日 14時) (レス) id: 6b2aac275b (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» マジか衝動でここまで描けるのすごい (2019年7月25日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月21日 18時