百四十七話 月の夜 ページ28
・
あの夜。
月狂。お前が生まれた。
俺はお前の兄じゃない時が二年生あった。
その日は皆既月食で、漆黒の空に真っ赤な月がぽつんと浮かんでいた。
その景色は幻想的で、美しくて、神秘的で
どこか狂気的だった。
だけど母さんは
生まれたばかりの月狂を
一発ぶった。
・
母さんは次にぎろりと俺を睨んだ。
そして俺に、蹴りを入れてきた。
二歳だった俺は何も分からなかったんだ。
母さんがなんで急に変わってしまったのか。
父さんがどうして家に帰ってこないのか。
どうしていつも外で誰かがドアをドンドン叩いて怒鳴り散らすのか。
全部全部、分からなかったんだ。
だけどひとつだけ分かった事がある。
それは、俺が兄になったという事だ。
あの月の夜に。
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lkwisterven - ここまで一気読みしたけどヤンデレ怖い (2019年7月24日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - 瑞貴(siera)さん» わわっ!ありがとうございます!完結まで頑張ります! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
瑞貴(siera) - いつも閲覧させてもらっています!!楽しみで仕方なくてドキドキしてます!!これからも更新頑張ってください!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: e176c72e2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月8日 18時