四話 勝利の女神 ページ5
sideミツル
僕は見た。
お姉ちゃんはあの男に出会ってしまった時から狂わされていた。
あの時からお姉ちゃんの歯車は狂いはじめていた。
あの男………異様に美しいあのアンティークドールみたいなあの男。
どうして今まで気が付かなかったのか。
ピアノの鍵盤に添えていた指はいつの間にかぴたりと止まっていた。
僕は小学生にして、色々な稽古をやらされている。
ピアノ、ヴァイオリン、書道、英会話、華道……………。
全てはお姉ちゃんの卒業したあの私立高へ入学する為。
だけどそのお姉ちゃんがここにはいない。
僕は知ってる。
お姉ちゃんは既に、あの悪魔のものになってしまった。
あの凶悪なサイコパスの元に…………………。
勝利の女神、ミケはあの悪魔に微笑んだというのだろうか。
ルター作曲の「神はわがやぐら」の演奏を辞めているのを見たピアノ教師がこちらに紅茶を運びに来ているのが視界の端に入った。
水宮というピアノ教師で、柔らかい笑顔が印象的な男性教師だ。
水宮「どうかなさいましたか?」
僕を見て、水宮先生がお皿に載ったスコーンにジャムを付けながらこちらに手渡した。
ミツル「…………先生は………」
水宮「はい。」
「先生は神を信じますか。」
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日名無 りん(プロフ) - ふわさん» ありがとうございますっ!!はい、月狂のイメージ画です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - このシリーズ大好きです!十四話のイメ画は月狂ですか?? (2019年9月26日 22時) (レス) id: 52abb0a881 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - あ、やばっ「」つけんの忘れてた (2019年8月19日 19時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» 本当の幸せはその者しかわからないぞ。そうか…ならばこの先を行くことだそうすれば君に幸福が現れるであろう。 (2019年8月9日 13時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» 「恨まれるのは…僕も怖いよ。だけどあの悪魔の所にいちゃ、お姉ちゃんは本当に幸せにはなれないんだ。僕はお姉ちゃんが心の底から幸せになって欲しい。その為なら、この僅かな躊躇いも飲み下せるよ。」 (2019年8月8日 16時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年7月23日 23時