二十五話 純白の花 ページ26
月狂「この花はね、まるでAのようだなって思ったの。」
花瓶からカサブランカを一輪掴むとその花弁で私の頬を撫でた。
月狂「純粋で無垢で甘美で、壮大な美しさを兼ね備えたAの様だなって。」
純白の花と美しい彼が並べば、それはそれは、美しい絵画のように見えてしまった。
月狂「それにね、白って何色にも染まりやすいんだ。」
A「……。」
月狂「穢れひとつ無い純白の花弁を開花したカサブランカは、それはもう例えようも無いくらいに美しいらしいんだ。」
"俺にはA以外に美しい物なんてないけれどね"
そんな彼の甘美な言葉は
額に落とされたキスと共に甘く蕩けた。
月狂「カサブランカの様に穢れひとつない壮大な美しさを持つA。」
カサブランカなんかよりもずっとずっと美しい貴方は、そのまま私の首筋に顔を埋めた。
A「…い、あ…ああ……。」
牙が皮膚を貫く瞬間の激痛も、もはや慣れてしまった私は……。
月狂「ふふっ、凄く敏感になったねえ。可愛いよ。」
私がカサブランカならね…
貴方は………
A「月狂は彼岸花だよ。」
彼の甘い吐息を遮り
私の小さな声は落とされた。
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日名無 りん(プロフ) - ふわさん» ありがとうございますっ!!はい、月狂のイメージ画です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - このシリーズ大好きです!十四話のイメ画は月狂ですか?? (2019年9月26日 22時) (レス) id: 52abb0a881 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - あ、やばっ「」つけんの忘れてた (2019年8月19日 19時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» 本当の幸せはその者しかわからないぞ。そうか…ならばこの先を行くことだそうすれば君に幸福が現れるであろう。 (2019年8月9日 13時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» 「恨まれるのは…僕も怖いよ。だけどあの悪魔の所にいちゃ、お姉ちゃんは本当に幸せにはなれないんだ。僕はお姉ちゃんが心の底から幸せになって欲しい。その為なら、この僅かな躊躇いも飲み下せるよ。」 (2019年8月8日 16時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年7月23日 23時