十二話 それがたとえ… ページ13
side來夜
ガイドブック通り、ロンドンの空は暗い。
ヒースロー空港から急行列車でパディントン駅に着いた時はもうくたくただった。
何だかバタバタしていて、一息つく暇も無い。
飛行機の中では隣の席の中国人は当然の様に肘掛を占領し、テレビを見て大爆笑した。
そしていびきをかいて寝やがった。
前の乗客は好きなだけシートを倒しやがった。
深夜の関空を飛び去りドーハのハマド国際空港で乗り換え、約二十一時間かけてイギリスに到着した。
スーツケースのキャスターが五月蝿い音を立てながら、俺は月夜さんに指定されたレストランへと足を運んだ。
白いテラス席のあるイギリス建築物の中に足を運ぶと、兄さんがこちらに向かって手を振ってきた。
中はゆったりとした感じで、ようやく一息着けそうだ。
月夜「長旅お疲れ様。」
來夜「………散々でしたよ。」
ぎろりと睨んでやると、相手は爽やかに笑った。
月夜「君をわざわざここに呼んだ理由は勿論分かってるよね?」
微笑みを絶やさずに、柔らかい口調で言ったが、俺には鋭いナイフの様に心に突き刺さった。
來夜「Aの事………………ですよね。」
月夜「正解。」
そうだろうな、それしか無いだろうな。
月夜「君には大切な役割を果たしてもらう………………。」
俺はただ逢いたいんだ。
逢って謝りたいんだ。
月夜「君には…………………」
何をしてでも、あの花の様な愛しい彼女に
それがたとえ………………
「君には月狂と接触してもらう。」
死と隣り合わせだろうとも。
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日名無 りん(プロフ) - ふわさん» ありがとうございますっ!!はい、月狂のイメージ画です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - このシリーズ大好きです!十四話のイメ画は月狂ですか?? (2019年9月26日 22時) (レス) id: 52abb0a881 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - あ、やばっ「」つけんの忘れてた (2019年8月19日 19時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» 本当の幸せはその者しかわからないぞ。そうか…ならばこの先を行くことだそうすれば君に幸福が現れるであろう。 (2019年8月9日 13時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» 「恨まれるのは…僕も怖いよ。だけどあの悪魔の所にいちゃ、お姉ちゃんは本当に幸せにはなれないんだ。僕はお姉ちゃんが心の底から幸せになって欲しい。その為なら、この僅かな躊躇いも飲み下せるよ。」 (2019年8月8日 16時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年7月23日 23時