七話 弱虫なんかじゃない ページ7
小学校一年生になった僕は一人誰もいない教室に立ち尽くしていた。
ぼんやりと厚い灰色の雲に覆われた空を窓から眺めていると
ポン。
肩を叩かれた。
反射的に振り返ると、そこにはクラスメイト達がいた。
皆、顔に表情がない。
蝋人形の様に凍てついた表情を僕に向けながら、皆一斉に口を開いた。
『死ネ。』
顔の筋肉も動かさず、口だけを操り人形の如く動かしたクラスメイトに落下された暴言。
それは鋭い言葉のナイフとなり、僕の胸を一直線に突き刺した。
甦る幼稚園の頃のいじめ。
『弱虫。』
『泣き虫。』
『気持ち悪い。』
『消えてしまえ。』
來夜「あ………。あ………。」
苦しい。
頭がクラクラする。
天井がぐにゃりと曲がる。
呼吸が出来ない。
口をぱくぱくと動かし、いつもの倍の酸素を求める。
空気が、欲しい。
『死ネ。』
『死ネ。』
『死ネ。』
"死ネ"
そんな僕はお構いなく、ナイフをぐさぐさと刺してくるクラスメイト達。
來夜「やめて…。やめて…………。」
やめて。
僕は弱虫なんかじゃない。
僕は泣き虫なんかじゃない。
違う、違う、違う、違う。
やめろ……。やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
來夜「…ッ…僕はッ…弱虫なんかじゃないッッッ!!!!」
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メロンパン - やべっ、怖いけど、おもろいが勝つわ。止まんないですわ。 (2020年12月9日 16時) (レス) id: 0e27099bf0 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 新しいの見っけ☆←オrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr (2019年8月24日 9時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年5月16日 23時