六十五話 僕達二人で ページ44
数日後、あの日と同じように河川敷で夕陽を眺めていると、「ヤマザキさん!」と後ろから声がした。
振り返ると、黒いランドセルを背負った月狂がニコニコと笑っていた。
山崎「…………………おう。来たか。」
月狂は山崎の隣に座ると、ランドセルを抱き抱えた。
山崎「………何歳だ?」
ビー玉の入ったラムネを渡しながら聞いた。
月狂「九さい。」
山崎「随分しっかりしてるんだな。」
月狂は炭酸を飲み干しながら笑った。
月狂「ヤマザキさんは、お仕事何してるの?」
唐突に、そんな事を聞いてきた。
その瞳は宝石よりキラキラと輝いていた。
まるで初めて飛行機を見る子供のように。
山崎「…………………………刑事だ。」
その言葉に、彼の瞳の輝きが更に強くなった。
月狂「す、すごいっ!じゃあ、悪い奴らを捕まえるんだね!!」
勢い良くグイグイと山崎に迫ってくる。
月狂の瞳の輝きは、本当に無邪気だった。
山崎「…………ああ。」
月狂「やっぱりヤマザキさんはヒーローなんだ!」
"ヒーロー"
山崎が幼い頃から憧れていたもの。
ずっとなりたかったもの。
山崎「ならさ。」
山崎は口を開いていた。
山崎「お前も大きくなったら刑事になれ。そしたら、俺とお前で、沢山の事件を解決しよう。それで、人を助けよう。」
夕陽の光が二人を差した。
月狂の瞳の輝きは、彼方の星々よりも強く光った。
そして、弾む声で言った。
「うん!僕とヤマザキさん、二人で悪い奴らを沢山捕まえようね!!!」
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日名無 りん(プロフ) - †天使系殿厨ちゃん(笑)†さん» わああー!お話考えるのクソヘタなので嬉しいです泣泣泣 ありがとうございます!!! (2019年10月12日 10時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
†天使系殿厨ちゃん(笑)† - あのー、まだ続くんですか…?嫌だーー。怖いよーー。…でも読んじゃう!!笑 だって内容が!内容が!(※大事な事なので2回言いました)面白過ぎるんですもん!! (2019年10月12日 0時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» そしたら月狂はシスコンヤンデレになっていたかもしれない…笑 (2019年8月20日 16時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - ていうか、私は月狂の妹になって手伝いたい← (2019年8月20日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - これで何度めしょっぱなから読み直したか(1から) (2019年7月24日 16時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年5月12日 18時