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三十羽目 ページ31

目覚めると、まだあの不気味な部屋に、私は倒れていた。
両手首はやはり手錠で制されている。

お兄ちゃん…。
優しかったお兄ちゃん……。

私のお兄ちゃん…。

どうやらあの悪夢は、夢では無いらしい。

いつからお兄ちゃんはああなってしまったのだろう……。
まるで悪い何かが、お兄ちゃんは蝕んでいるようだった。

あんなのはお兄ちゃんじゃない。
きっとそうだ。
そうに違いないのだ。

狂夜「お早う、A。今朝はイングリッシュマフィンを焼いたんだ。摘みたての苺もあるよ。」

刹那、部屋に響いたのは、私も良く知っている、優しい声だった。

狂夜「Dilmahのダージリンも淹れたてだよ。」

A「お…お兄ちゃ……。」

私が口を開けば、嬉々と目を細めて、硝子細工の様に綺麗な顔を歪めた。

狂夜「なあに?A。」

A「此処…何処?」

私の質問の何が可笑しいのか、お兄ちゃんはクスクスと笑みを漏らしながら、艶笑を浮かべた。

狂夜「Aと俺の、お家だよ。」

A「お…お家?何言って……んっ!んんっ。」

私の疑問は宙に溶ける前に、掻き消された。

一体、何があったのか、全く理解出来なかった。


しかし、視界を独占するのは、お兄ちゃんの美しい顔。
唇の壁を越え、口内で這いずり回る舌。


これを人は


キスというのだろうか?

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設定タグ:ヤンデレ , 兄妹 , 名前変換オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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日名無 りん(プロフ) - まくすうぇるさん» 美形家族の女の子…良いですよね……!もうバリバリ守っちゃってください!笑 (2019年12月28日 0時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 日名無 りんさん» そんな美形家族に女の子がいたらぜひともお近づきになりたい(心が綺麗なら)。でもって近づく男を牽制したい・・・! (2019年12月26日 3時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - まくすうぇるさん» 羨ましいですよね美形家族…! (2019年12月26日 0時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 美形家族っすね (2019年12月25日 1時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - シェリーメイさん» ありがとうございます!!!今後ともよろしくお願いします! (2019年10月4日 19時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日名無 りん | 作成日時:2018年12月31日 11時

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