骨の髄まで愛してる2ーヤンデレ彼氏の行き過ぎた愛ー (ページ16)

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六十三話死にきれない想いページ16

目が覚めたら、木に縛り付けられていた。

口は勿論塞がれたまま。

目の前には狂った悪魔がニヤニヤと口元を歪ませながら俺を見つめている。

………………見るな……

俺を見るな………

月狂「今すぐは殺さない」

彼はそう言うと黒いジャケットからジャックナイフを取り出した。

俺を刺したやつとは違うやつだ。

けれどいずれはこのナイフも、

俺の血で染まるはずだ。

空を見た。

どんよりと曇った灰色空だ。
空は継ぎ目ひとつなく灰色の雲に覆われている。

すべてが灰色だった。

地球の終わりを予言するような天気だった。

その空に、黒いカラスが何十匹もギャアギャアと会話しながら、バサバサと音を立てて飛んでいた。

そのカラスは彼が指示をすれば今すぐにでも、俺に嘴を向けて襲い掛かってくる気配さえも感じた。

月狂「お前を腐らせて、カラスの餌にしてやる。ああ、蛆虫も湧くだろうな。……ッ…ハハハハハッ」

俺を餌にする？

カラスの？

冗談も程々にしな。

彼はゆっくりと俺ナイフを振り上げた。

そして、びゅんと風の音をならしながら俺の右足目掛けてたたき落とした。

ドスッ……

涼真「ーーーーーーーッ！！！」

トラバサミとナイフでズタボロにされた傷は更に深く刺さった。

トラバサミのおかげで骨までくい込んだのだからどのみち腐る。

そう諦めていた。

月狂「……………最後に、遺言とかあるか？」

そんなん、ねえよ

俺は死なねえ！

Aに気持ち伝えるまで、俺は死ねねえんだよ！！

俺は精一杯の憎悪を込めて奴を睨んだ。

月狂「………ハハッ……怖いなあ……最近のクソガキは。」

黙れ！

心の中で叫ぶ。

しかしその声は届く事は無い。