二十話 友達 ページ20
「月狂、お誕生日おめでとう。」
煌びやかなシャンデリアの下、赤い薔薇の花を沢山飾ったダイニングで、お誕生日パーティーとやらは開かれた。
勿論祝ってくれたのは祖父だけ。
あとは使用人だった。
バロック調の王座みたいなソファに座っていた俺に、祖父は優しい笑みで段ボールくらいのケージを持って近付いてきた。
「これは私からのプレゼントだよ。可愛がってやってくれ。」
祖父が笑みを浮かべると顔に彫られた皺がより一層深くなった。
そんな優しい笑顔を俺に向けてくる人は初めてだった。
俺は深紅のリボンで彩られたケージを、そっと開けた。
中から出てきたのは、純白のふわふわの子猫のペルシャだった。
まん丸い目に、柔らかいであろう毛並み。
首にキラキラ光るダイヤモンドの首輪を付けている。
子猫はニャーンと小さな声で鳴くと、俺の腕の中に丸まった。
月狂「………猫?」
「友達になってあげなさい。」
祖父が低いが優しげな声で言った。
"友達"?
そんなもの、必要なのか?
俺腕の中で丸々子猫は、すやすやと寝息をたてていた。
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日名無 りん(プロフ) - らなこな@新しく始めました!さん» そう言っていただいて作者は嬉しい限りです…泣ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年3月20日 15時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな@新しく始めました!(プロフ) - す、凄い....読んでると本当に自分が主人公になった感じになる...続編の方も絶対読みます!更新頑張ってください! (2020年3月20日 9時) (レス) id: 6e36cc4795 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» いやまじで全然なんですかぁぁぁぁ!! (2019年8月6日 14時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - あいうえおさん» リアリティ感じていただいて良かったです!! (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» 私なんて全然ですよー笑 (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2018年9月8日 20時