フープピアスに触れたくて

ずるい君 ページ24

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2人の間には、2人分の隙間。


電気を消して天井をみる。もう時間も3時近くなってるけどもちろん眠れない、

五連勤の後でお酒もそれなりに飲んだけど、隣に、しかもベットで2人でいるって状況。


てかこいつ、流されやすいなほんと。他の人にもこんな風に流されたら、…俺じゃなかったら絶対襲われるって。




なあ、俺以外ともこんなことしてる？

あ、でも家に入れるの初めてって言われたな。





右隣で寝てる君を見て、呑気に寝てんなよって心の中で突っ込む。


そしたら、Aもこっちを向いて、暗闇の中で視線が合った。

話しかけても無視される、まじで行動が読めない。


見えてたの？って何それ、見えてるんじゃなくて「見てたし、」






ライトが差し込んで一瞬だけ見えたAの顔は


照れてるけどいつもとは違う、ほんのり染まった頬。


すごく綺麗な顔をしてたんだ。



　




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向かい合わせ、いつの間にか1人分の距離。




意識して、って伝えたくて、冷たい手に触れてみる。




交わさない会話。離れない手。



何分時間が経ったかわからない。目を瞑る、






寝てると思ったのか、頬にひんやりと触れてきた。

どんだけ俺のことかき乱すつもりなんだろう








ムカつく。




細い腰を引き寄せてみる、嫌なら振り解いてよ。



そんな俺の気持ちも知らないAは
フープピアスを触って、腰にきゅっと抱きついてきた。




しばらく経って、寝息が聞こえてきた。







なあ、A


振り解かないで抱きしめ返して、俺のピアスに触れてきてさ。

さっき見えた照れた顔も



自惚れじゃないよな。






柔らかい頬に触れて、もう一度抱きしめた。


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