明日天気になぁれ 【神威】

捌 ページ10

「おまえってさ、戦える？」


不意に投げかけられた質問

『…戦ったことありません』

神威「やっぱ地球人のおまえはきついか」


そう言ってぶつぶつ考え始めた神威


『地球人…か』ﾎﾞｿｯ

神威「ん？」

『あ、いえ何も』



私のことを覚えていない今

神威にとって私はただの地球人


でも戦闘経験のない私にとっては好都合


神威「まぁいいや…明日星潰しの任務入ってるけど、おまえはお留守番しててネ」


星潰し…


『わかりました』



神威は船を出るから

明日は極力神威に会わなくて済むんだ


神威の声で時雨と呼ばれることにも
慣れてきた頃


神威の側にいることはまだ苦手


神威「あ、そうだ」


『まだ何か？』


早く終わってほしい…、


神威「時期が来たら稽古つけるから！」

『稽古？！』

神威「うん！もう時雨も春雨！つまり海賊だし！俺の女ならちゃんと戦える子じゃないとネ！」


パチリとウインクしてみせる神威


整った顔だからそれなりに様になる


『…覚悟しておきます』


神威「じゃぁ、明日はいい子でいてネ」



ぱたんとドアを閉めて部屋を出た神威



『稽古…か』



戦い方なんて知らない



傘だって日を遮るためにしか使ったことがない



『でも…ここで生きていくには…』



………ん？


自分の口から出た言葉に違和感を覚える



『私は…ここで生きていこうとしてる…？』



どれだけ逃げ道のない宇宙だからって

そんなこと考えるはずないと思っていたのに



まだどこかで神威を求めてる自分がいるのか




『そうだとしたら馬鹿な話ね…』

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