弐 ページ4
時折聞こえる騒音や爆音
廓の奥にいるとしても微かにわかる血の匂い
そろりと部屋を抜ける
表に続く廊下には百華の屍
何があったんだ…
吹き抜けになっている空間を取り囲む廊下
その中心部にあたるその部屋は日輪様の部屋
いつも真っ暗なその部屋は
『ッ…』
明るく日が差し込んでいた
日の下に投げ出された鳳仙
日輪様の膝の上
変わり果てた鳳仙に近づく
鳳「時雨…か」
『貴方様の雨は上がったようですね』
鳳「ふん…貴様のはまだか」
『まだもなにも、降らせたのは貴方です』
自分で私に与えたであろうその名を捨てさせて
また与えてくれた名前
『もう終わりですね…夜王も…日の下では敵わない』
鳳「それは貴様も同じだ」
嬉しそうに
でもどこか後悔すら浮かべた笑み
『さようなら…』
さようなら、父上
これ以上私も日を浴びるのは危険だ
ただでさえクラクラするのだから
部屋に戻ろうと踵を返す
ふと顔を上げる
視界の端に入ったサーモンピンクの髪
『…うそ』
静かにこちらを見つめる蒼い瞳
でもどこかそれは他人を見るような冷たい瞳
『失礼します』
軽く頭を下げて奥に戻る
________________________
「……」
「ふん…おまえにあの雨を止ませることができるか?」
「あたりまえだヨ」
そんな会話なんて知る由もないまま
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長老(プロフ) - 更新まってます (2017年2月27日 21時) (レス) id: cb5efd4c4e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 毎回泣ける小説とか見ると泣いちゃうんですけど、コレ一番泣いたかもしれないですよ!!(;ω;)← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ほのかさん» ありがとうございます!まさか泣いてくれるとは。。 (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - りゅうびさん» 自分も神威のヤンデレはあまり好きじゃないです (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 更新頑張ってください!!私なんか分かんないけど泣けてきちゃいました!!!← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧海 | 作成日時:2017年2月23日 17時