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弐拾参 ページ25

2人分の傘を抱えて阿伏兎さんと船に戻る

阿「ほんとにいいのかぁ?団長は、おまえさんを危険な目に合わせられないって戻したのに」

『いいもなにも…私は神威をずっと待ってたんです…それに、私はもう自由ですから』


吉原に繋がれてた鎖を断ち切ってくれたのは神威

自由になった今


『私は神威の隣で生きたい』

たとえそれが危険な道でも


阿「はー!愛されてるな団長」

『ふふっ…で、神威はどこですか?』


船に戻っても神威の姿が見当たらない


『今日出発ですよね?まだ外に?』

阿「いや…それが」


視線をうろうろさせる阿伏兎さん


阿「団長今な…熱出して…」


『………え?』


_______________

船の奥にあるかつて私の使っていた部屋の隣

そっと扉を開けて中に入る

ベッドに近づくと阿伏兎さんの言っていた通り神威が寝ていた

しかも苦しそうに


傘を壁に立てかけて神威の枕元にしゃがむ


『…ごめんね』


あんな土砂降りの中にいたんだもん
そりゃ熱だって出るよね

汗で張り付いている前髪をそっとどかして額に触れる

熱い…

軽く汗を拭いてやってさっき医務室のおねーさんに貰った冷えピタを貼る


暫くその寝顔を眺めていると


神威「…ん」


重たい瞼が開いた



神威「……A?」


熱のせいで弱ってる神威の手がゆっくりと私に伸ばされた

『そうだよ』

あの日拒絶した手を握る


神威「ほんとだ…おかえり」


ゆっくり紡がれた言葉


『ただいま…』


ただいま、神威



もう一度神威が眠るのを待って静かに部屋を出た

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長老(プロフ) - 更新まってます (2017年2月27日 21時) (レス) id: cb5efd4c4e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 毎回泣ける小説とか見ると泣いちゃうんですけど、コレ一番泣いたかもしれないですよ!!(;ω;)← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ほのかさん» ありがとうございます!まさか泣いてくれるとは。。 (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - りゅうびさん» 自分も神威のヤンデレはあまり好きじゃないです (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 更新頑張ってください!!私なんか分かんないけど泣けてきちゃいました!!!← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧海 | 作成日時:2017年2月23日 17時

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