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弐拾壱 ページ23

【こいつ、買うから】


あの日と同じ場所で告げられたのは


【こいつ、地球に置いていくネ】


全く逆の言葉



神威「こいつを守ってあげてほしい」


そう言って頭を下げる神威

この場にいる全員が唖然とした

神楽ちゃんも私も目を見開いた


神威「ごめんネ…おまえの待ってる人はもう来ないヨ」


どうして、そんなこと言うの


神威「ずっと、待ってたんだネ…ごめん…約束、やっぱり守れなかった」


『ッ…かむ…い』



覚えててくれたの…?



神威「幸せになれヨ…A」


『名前…ッ!』




私に傘を押し付けて土砂降りの中に消えた神威



待って


『待ってよ…神威』


置いていかないで


幸せになれなんて言わないで




【おまえの待ってる人はもう来ないヨ】




そんなことない


あの日私を闇夜から救ってくれたのは

紛れもなく貴方だった

私が何年も待ち続けたのは

紛れもなく…貴方だったのに



【俺にはずっと、おまえが太陽だった】



そんなの、私もだよ

吉原という闇の中で

姿の見えない貴方の存在だけが

私を照らしてくれていた


なのに…どうして


『置いていかないでよ…神威…ッ』


私の声は土砂降りの中に掻き消される



銀「取り敢えず、一旦落ち着こう」


神威の傘を握り締めてしゃがみこむ私を坂田さんが立たせて店の中に入れてくれた


神楽「おまえは神威が…好きアルか?」

『…大好き』


もうずっと


『ほんとはね…嫌いなままでいたかった』


笑顔すら冷たい神威を嫌いなままでいたかった


『でも…優しいままだったんだ』


私のこと心配してくれるところとか

今日だってこんな土砂降りなのに私の肩は全然濡れてない


『私にあの人を嫌いになるなんて…無理な話だったんだよ』


月「さっきあやつが言った…Aとは主のことか?」


さすが月詠

聞き逃さないなぁ…


『そうだよ…あれは私の本名…時雨とは鳳仙が私が吉原で生きていくためにつけた名前』


もう…覚えてないと思ってたのに


『最後にあれは…ずるいよね』


そっと神威のつけてくれた髪飾りを外す


神楽「向日葵だ…」


太陽の花

今着てる蒼の着物も神威がくれた



『ほんと…最後までずるいなぁ』

弐拾弐→←弐拾



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長老(プロフ) - 更新まってます (2017年2月27日 21時) (レス) id: cb5efd4c4e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 毎回泣ける小説とか見ると泣いちゃうんですけど、コレ一番泣いたかもしれないですよ!!(;ω;)← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ほのかさん» ありがとうございます!まさか泣いてくれるとは。。 (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - りゅうびさん» 自分も神威のヤンデレはあまり好きじゃないです (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 更新頑張ってください!!私なんか分かんないけど泣けてきちゃいました!!!← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧海 | 作成日時:2017年2月23日 17時

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