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拾漆 ページ19

『ここ…どこ?』



気がつけば真っ白な空間にたった1人

医務室…?


『だれか…ッ』


全身を駆け巡るような痛み

ちらりと服をめくると綺麗に巻かれた包帯

刺されたんだ…


そういえば…


『誰もいないのかな…』


誰かいないのかと思ったとき


バンッ

「目が覚めた?!」


扉が壊れそうな勢いで部屋の中に入ってきた綺麗なおねーさん

格好からして医務室の人かな


『あ…はい』

「どう?調子は」

『まだ…力がはいらないです』


キズの痛みもあるが
まず立とうとしても力が入らない


「そう…ここから出ないでね」


何か慌ててるような様子のおねーさん

『あの!何かあったんですか?』

神威もいないみたいだし…


「ッ…今ね、星潰しの任務である星にいるの…でも、団長や副団長のいないときに襲撃されて…」


絶対防音のこの部屋では気づかなかった

おねーさんの開けっ放しにしてる扉の向こうから爆音なんかが聞こえてくる


『ッ!…団長には?』

「今連絡したけど…帰ってくるにも手こずっていて…」

おねーさんの様子からして相当厄介な相手

『…私も…行きます』

「え?!」


言うことを聞かない身体に鞭を打つ



「ちょっと!その身体じゃ!」

『行かなきゃ…いけないんです…ッ』






ベッドの傍らに置かれた傘を握る



「ほんとに…行くの?」

『貴方の救ってくれた命…無駄にしちゃうかもですけど…』

「……いいや、あんたの命救ったのは団長だ」

『ふふ…そうですか』


見送ってくれたおねーさんに会釈して騒乱の中に飛び込んだ


「時雨?!」

私を見たみんなが目を丸くする


『何したって、どうなったって…ここは私が守る』


守らなきゃいけない


あの人の背負ってるこの場所を



キズが開く

おねーさんの着せてくれた服に真っ赤な血がまとわりつく

相変わらず穢らわしいだけのもの

倒しても倒しても増えるばかり


『ハァ…ハァ……ッ』


どうして…

どうして私には力がないの

やっと…決めたのに


Aの名で呼ばれなくてもいい

みんなが私のことを忘れてもいい

神威が私のことを忘れたっていい

時雨として神威の隣で生きると決めた

神威の隣にいれるならそれでいい

そのためならいくらでも強くなろう

血に濡れよう





『…決めたのに…な…』





どうして弱いままなんだろう


どうして弱いままの私を








「A!!!」








貴方は助けてくれるの

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長老(プロフ) - 更新まってます (2017年2月27日 21時) (レス) id: cb5efd4c4e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 毎回泣ける小説とか見ると泣いちゃうんですけど、コレ一番泣いたかもしれないですよ!!(;ω;)← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ほのかさん» ありがとうございます!まさか泣いてくれるとは。。 (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - りゅうびさん» 自分も神威のヤンデレはあまり好きじゃないです (2017年2月27日 18時) (レス) id: 7b0e01247e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 更新頑張ってください!!私なんか分かんないけど泣けてきちゃいました!!!← (2017年2月27日 18時) (レス) id: 4a701905ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧海 | 作成日時:2017年2月23日 17時

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