秀くんだけの短編集。 (ページ4)

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初めてキスをした日　＃２ページ4

雛乃side

『え～っ、今日も一緒に帰れないの～？』

「あぁ、すまない。このことはまた埋め合わせしよう。』

『．．．うん、』

がっくし、なんて効果音がつきそうなほどの落ち込み方にも慣れた。

俺の事になれば、いつだって全力になれるコイツがうらやましい。

俺と付き合ってから、急に距離が縮んだ。

伊佐が言うには゛Aちゃん、秀ちゃんの事だぁいすきだもんね～゛

とのことだったが、俺もたいがいだと思う。

『ねぇ、雛乃くん。埋め合わせって何してくれるの？』

「考えておく。」

『楽しみにしとこ～っと。』

「お前は本当に表情がころころ変わるな」

可愛い。これがアイツの言っていた゛小動物系゛？などいうものなのだろうか。

分からないが、可愛すぎる。

これを我慢しろなど、出来るわけがない。

「口を閉じていろ。」

『え、？』

ちゅ、

小さいリップ音が鳴る。

Aが首まで真っ赤になって。

「可愛いな。」

『...もう心臓が持たないのでやめてください』

「はは、」

本当に可愛い。俺にキスされただけで顔が真っ赤になって、全部が可愛い。

「今度から我慢できると思うなよ。」

そう言って俺は部室に向かった。