1杯の珈琲【wrwrd】 (ページ5)

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5話ページ5

家に着いて早速見てみると仕事の時と全く違った。驚きしかない。嘘やろ。

あくまであれは全て営業専用の振る舞いだったらしい。

どことなくグルちゃんに似とるわ...。
趣味が同じだと似てくるのだろうか。

しかし、この二面性というか、ギャップがいい。決して口調が悪くなるわけでもないけれど、普段は当たり障りのないことしか話さない印象だった。

それが、どうやら本当はこうなのか。
思ったことはずばっというし、細かいとこまで気づいているところはやはりだが。

そして思っていたよりも博識だ。
フリーゲームでたまたま出てきた花の花言葉を知っていてしっかりと気づくなど、どの実況もそのゲームの奥深くまで楽しんでいた。

なんとなくコメントまで博識だ。
そして、意外な一面は普段の話が意味がわからないくらい面白い。

何がどうなればこんな体験出来るのだろうかという話が毎回ある。普段店やってるのに忙しすぎる。

「この前お出かけしてたのね、ちょうどこんな街で。そしたら、人がぶつかってきたの。で、なんか鞄に入れられて、なに？と思ったら、その人薬厨で、薬いれられて。警察に連れてかれたさぁ。」

運がないのか、酷すぎる。よく笑って言うな。
こんなことってあるんだな、だそうだ。

「しかもその薬警察がバッってとったから袋破れて鞄にぶちまけられたの。携帯とかに付いてたらどうしようね。」

あれで終わりじゃないのか。
そんな実況を見ていると、知らなかった彼女の1面が見れるのが楽しくて気づけば朝になっていた。

やっべ、寝てねぇ。それよりも行かなければ。

「いらっしゃいませー」
「今日もまだ僕しか居らんの？」
「ええ。まだ大先生だけ。」

なら、ええよな？と思い思い切って話しかける。

「実況見たんや、Aさん博識やなぁ。」
「見たんです！？嬉しくはあるんですけど...。あ、大先生ってどんな編集します？」

食いつきがすごい。この人相当実況が好きらしい。

「実は私も見たんです。大先生の編集見やすくて。」

「教えます？」

「ノートパソコン、持ってきます。」

これは、上手くやれているかもしれない。