花尋光町 七丁目【地縛少年花子くん】

星 ページ23

「ねぇ、あまね。知ってる？死んだ人ってね、星になるんだよ」



通学路の真ん中で彼女は空を見上げながらそう言った。
俺も彼女と同じ様に宝石のような星を見つめた。



「それとね、流れ星が流れるのは死んだ人が生まれ変わる時なんだって」



そんな、非現実的な、と思いながら、
へぇ、と返事をする。
俺は空を見つめていたのに、いつの間にか彼女を見つめていた。
そんな俺にも気づかず彼女は言葉を続ける。



「私ね、星になりたいの。星みたいに、きらきら輝く人になりたい」



彼女は少し目を細めて言う。
輝く人になりたい、なんて急にどうしたのだろう。
変に思いながらも、今度は思ったことを口に出す。



「もう充分輝いてると思うよ。勉強できるし、運動できるし、人気者だし」



その言葉を聞き、彼女は、ありがとう、と言って悲しそうに笑った。
なんで悲しそうなの？とは聞けずに、そのまま別れ、家に帰った。



・



・



・



・



・





もし、あの時、彼女の言葉の隠された意味が分かっていたら



・



・



・



・



・





もし、あの時、彼女が悲しそうに笑った理由を聞けていたら



・



・



・



・



・





キミはここに居たのかな。



・



・



・



・



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


花子くんの女友達って星が好きそうだなぁ、って思って書いたお話。

少し切なめに書いてみました。

この話の続きは、あまねが彼女を追って窓から飛び降りるみたいな感じ。

無表情なキミは→←お知らせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す