花尋光町七丁目【地縛少年花子くん】 (ページ19)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:31,012 hit

始まりページ19

誰も来ない旧校舎の誰も知らない空き教室に彼女はいる

最初はほんの興味本意で近づいた

「やぁ、初めまして。俺は七不思議が七番目、トイレの花子さんだよ」

後ろから声を掛ける。彼女は体を跳ねさせ振り返った。その顔はまるで童話のお姫様みたいに綺麗だった

「えっ…はなこ、さん？どうしてここに…てか、男？」

口調が想像していたのと違った。いや、別にこの口調もカワイイとは思うが、顔に合っていない

「花子さんだけど男なんだ。君もなんで此処にいるの？」

彼女に問う。が「花男さんの方が絶対いい」と言いながら笑っている。言っていることは別として、笑っている顔はカワイイ

「……どうして此処にいるの？」

もう一回聞いてみる。七不思議のリーダーとして、理由を聞くのは当然でしょ？…分かんないけど

「そうだねぇ、なんでだろうねぇ。花男さんはどうして？誰かが此処に来るなんて珍しいんだけど」

花子さんだってば、と言おうとしたがやめた。なんかめんどくさくなりそう

「俺は七不思議のリーダーだから色々歩き回ってるの」

本当は違う。君に会いに来た、なぁんて、言えないケド

「り、リーダー…ってことは！ただの幽霊の私を消しに来たの！？」

「いや…違う」

違うから。なんか変な風に誤解された

「違うなら、これから仲良くしてくれる？」

突然のお友達申請？もっと彼女のことを知りたいと思ったし受け取っておこう

「いいケド…仲良くってどうするの？」

仲良くするの意味が分からないんじゃない。"彼女と"仲良くするという意味が分からない

「うーん、取り合えず毎日此処に来て？で、お話とかしよーよ」

それくらいなら、と軽く了承する。
彼女はガッツポーズをして「やったぁ」と叫んだ。

これが俺と彼女の不思議な物語のプロローグ

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

合作の方にも載せたものです！(参加させて頂きました)

合作短編集第二弾!【地縛少年花子くん】

な、なんと！第二弾です！

皆さん文才ありすぎてすごいので

ぜひ、見てみてくださいね