墓へ ページ17
翌日私は民宿の玄関先で突っ立っていた
昨日誰かと約束をした気がするのだ
思い出せない
男だった…と思う
彼女の墓へつれていってくれると
でも誰だった？さすがに可笑しい
昨日の事すら忘れているなんて
寝ぼけてはいない
どうして思い出せない…
「おい」
何処かで大きな声で呼び掛ける男の声がする
騒がしいな、でも町中だもんね
それより私はどうなっているのだろう、昨日のことすら忘れているなんて、でもそこだけなのだ、男の顔以外は全て思い出せるのに
「…聞こえてねぇのか」
大きな舌打ち……
突如思考を遮断される
？
目の前にいつのまにか立っていた男が私の真横の木箱を足で叩き壊した
「だ…れ？」
さっきから聞こえていた呼び掛ける声はこの人が私に呼び掛けてたらしい
「あぁ？ふざけてんのか、昨日の事すら忘れてんのかクソガキ」
昨日…？
「え、あ、そっかあなたか…」
じっと顔を見つめると確かに昨日話した
そうだ、この人だ、口の悪いﾁﾋﾞ、どうして忘れていたんだろうか
こんなにも整った顔の人は滅多にいないのってのに、それにこんな無礼なひとも他にいない
リヴァイは怪訝な顔をした後、私の前を歩き始める
「行くぞ」
リヴァイのあとをずっとついてあるく
かなりの距離を歩き墓と言われる場所へついた
なんとも簡素な墓だ
今朝民宿の人に聞いたところによると巨人に食われて死んだ人は多いらしい
働いてばかりの世間知らずな私はそんなことすら知らなかった
こんな簡素になってしまうのか…人が多ければ墓だってこうなる、わかっていてもイザベルがここにいるのだと思うと少し悲しい
「来い」
呆け、墓をみつめ足を止めた私に対してそう放つとひとつの墓の前へと案内される
「ここだ」
簡素な墓にはまだ新しい花があった
イザベル
ごめんなさい、忘れていて
こんな形であなたと会うなんて…
早く会いに来なかったこと、ずっと忘れていたことへの後悔の念が心を押し潰す
真新しい青い花をみて
誰かがここへ来て花を手向けている間
私はずっとイザベルのことを忘れて日々を過ごしていたのだと思うと心が握りつぶされているのかと思うくらいに傷んだ
「私も花を持ってくればよかった」
朝に待ち合わせたのに道程が長かったせいか、はたまたずっとイザベルの墓の前から動かなかったせいか太陽が少しずつ顔を隠し始めている
リヴァイはそんな私を見かねたのか俺は仕事がある、一人で町へもどれとだけ残して何処かへ行ってしまった
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緋奈(プロフ) - リリスさん» ありがとうございます！更新速度は遅いのですがその言葉だけで頑張れます！！！ (2017年10月1日 2時) (
レス) id: a4d41e6ccb (このIDを非表示/違反報告)
リリス - すっごく良い話ですね。 (2016年11月11日 20時) (レス) id: 18768da2c2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - リリアさん» ありがとうございます！色々掛け持ちしているためやはり文は手薄になってると思っていたところです！改善すべき点が見つかりました感謝します！ (2015年2月26日 21時) (レス) id: 53d6e6d2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリア(プロフ) - 面白いですよ！一話、一話少し短いような気がしますがワクワクするようなお話しですね♪更新頑張って下さい (2015年2月20日 18時) (レス) id: 5c2c4c39d6 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子よりの火藍(プロフ) - ひなさん» ポンポン ポンポン………ね。 (2014年1月16日 2時) (レス) id: 18a7310a01 (このIDを非表示/違反報告)
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